Episode 0
駅から徒歩１分
こぎたないビルの４階
通いなれた学生時代
僕らは大学合格を信じ、勉強を続けていた
明るく、時に親身に接してくれた先生
ともに刺激を与え、大騒ぎをしながら切磋琢磨した仲間たち
内装のキレイさなどは関係なかった
みんなが、そして自分がそこにいること
それでつらい受験も乗り越えられたんだ
エレベータが４階に着いた
開かれた空間はキレイではなくても活気あふれる大切な場所を…
めちゃくちゃキレイじゃん！
俺らが受験生だったころはキレイじゃなかったのに…
（塾長）あ、もっくん！*1 すいみー！ 久しぶり！！
こんにちは！ バイトが終わったのでちょっとよってみました。*2
すんごいキレイになってますね！
（塾長）まあね！ 今、飲み物持って来るね！
卒業して２年以上過ぎて、やっぱ塾の環境も変わってるな。
俺がもう３年生だもんな。
俺らが教わった先生（バイトだった人たち）はほとんど大学、大学院卒業しちゃったし、経営体制が変わったこともあるしね。*3
んで、俺らの同期（浪人してたため正確には１つ上）のバイトや新しい人が先生として入ってんだね。
……でも、様子がおかしいな？
（生徒）先生、マジでイヤなんだけど！
（塾長）うんわかった。今、見に行くからね。
うーん、自分も同業だからわかるけど、この様子は新しい先生が嫌われてるんだな…
（塾長）新しい英語の先生なんだけど、この人火稲田（仮名）で、TOEIC９００点らしいのよ！
今、下のクラス見てもらってるんだけど、頭悪い子の気持ち分からないんだって。
分からない子って、授業聞いててもさっぱりじゃない？
ね、もっくん！
こくん！*4
で、「もっとフランクにやっていいよ。」って言ったら、『女なんて酒飲んで、車乗せりゃ一発だ！』って言ったらしいのよ！
ウルトラフリー（仮名）時代の人だからね♪
ま、入ってたかはしらないけど☆
先生、その団体に関係ない火稲田の人に失礼…
それで女の子がひいちゃってさ、ものすっごい不信感なのよ。
だからちょっと、授業に入ってくるね♪*5
こういうのはやっぱりどこも抱える問題なんだな。
この仕事って向き不向きがはっきり出てくるから、新しい人が入ると難しいよね。
その点、無事３年目を迎えられたすいみーは向いてるのかな？
では、そろそろ帰ります。
（塾長）じゃあ、また来てね！
よし、焼肉食べに行こう！
筋力ポイントが上がった。
技術ポイントが上がった。
塾講○になった。
疲れがとれた。
