絶対に負けられない戦い
週の終わりで、学校帰りに直でバイトだ。
疲れがたまってるときにきついな…
すいみー先生、こんばんわ!
お、女子高生。 こんばんわ!
数学のテスト、どうだった?*1
平均点超えたよ! 60点だった!
ええ! すごいじゃん!!
(赤点取らないどころか、平均点越えなんて信じられない!)*2
すっごく嬉しくて、すいみー先生教え方ジョーズだから塾戻ってくることにしたの!
へぇー! そっかー、それは嬉しいな!
来週からお願いします!
俺もこうやって生徒を呼び込む力をしっかりつけてたんだな。
講師として、確かな成長ができてることが実感できるよ!*3
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ちょっといい、すいみー先生?
はい室長、大丈夫ですよ。
すいみー先生、2年のHとMがやめたいって言ってたじゃん?
はい、言ってましたね。
Hは違う塾に体験行ったりしてるみたいなんだよ。
アイツは完全にそっちに気がいってるみたいよ。
ああ、そうなんですか…
ただ、Mは自分の意見もってないじゃん?
Hに引きずられてるだけでさ。
そうですね。
で、今日、Mのお母さんと面談したんだけど、どうにかして欲しいって言ってるんだよ。
Mは塾入って、ものすごく成績上がったからね。
そうですよね。
完全に気がむいてないHは仕方ないとして、Mをやめさせるわけにはいかない!
そのためにもHをどうにかしないと!
すいみー先生お願いしますね。
はい、がんばってみます。*4
ここはHと全面対決だな!
怒るとかじゃないけど、意見をぶつけ合っていい方向に持ってかないとな!
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先生、ちょっといい?
はいよ、どうした?
女子生徒と室長が話してる。
なんか、あんまり良くない雰囲気だな…
(授業終了後)
なんか、この教室から慣れた先生がいなくなっていくことが嫌みたい…
知ってる先生戻せって言ってきたよ。
うーん、ワガママにも聞こえますね。
うん、ワガママ以外のなにものでもないよ。
ただ、室長が俺に代わって、慕ってた前の室長がいなくなっちゃったのが大きいな。
俺にこう言って来たってことは、俺を試してるんだと思うよ。*5
確かにそうですね…
よく考えてみると、現室長に相談したってことは認めてはいるんだよな。
ということは、彼女達の中でしっくりいってないのは異動してきたすいみー達が当たり前のようにいることだろう。
かといって俺がやめるわけにもいかないし、意地でも彼女達に認めさせなきゃいけないな。
バイトなんだけど、力を蓄えて信頼も得てきたすいみーがこの塾に与える影響の大きさを改めて実感した。
生徒はすいみーがバイトだってことや、事務レベルのゴタゴタなど考慮するはずもない。
塾、そしてすいみーにとっての生徒との「絶対に負けられない戦い」が始まりそうだ。
敏捷ポイントが上がった。
技術ポイントが上がった。
絶対に負けられない戦いがそこにはある。
やる気が上がった。